「銀 座」 (大倉  昊 君)

2013年5月27日(第2644回例会)

 

「銀座」ということで今日はお話をしようと思います。銀座の話をすると、北新地の話とも関連する部分があるのではと思われるかもしれませんが、そこはさらっと流して銀座に限ったことを中心にお話したいと思います。
私は大阪で産まれ大阪で育ちましたので、東京ばかりが栄えていくというのはあまり気分が良いことではありません。しかしふと考えてみますと、人も物もお金も今は全部東京に流れています。たとえば鹿児島からは今までは一旦博多を経由したのに、現在は鹿児島からダイレクトで東京。熊本、長崎、博多、広島、四国からも東京。大阪は全部通過します。どういうわけで人、物、金が全部東京へ行くのか。それには色々理由があると思います。
さて、銀座はと言いますと、一週間に一度は変わっていると言っても良いのではないかと思います。とにかく激変しています。最近株が調子よく上がっていますが、ほとんどの銀座周辺の有名飲食店はなかなか予約が取れません。無理して行ってみると、いかにもお金を持っているという人たちの雰囲気が漂っています。
本論からちょっと外れましたが、銀座の中央通りというのは大正時代から、歩道と車道に分かれていたそうで、これは日本で初めてだそうです。街のスタートの時点から、かなり考えられて開発されたわけです。ガス灯が初めて灯り、夜の街がスタートしたのも銀座からです。
そこで、ちょっと夜の話になりますが、クラブというのは銀座だけで約2,000軒あるそうです。毎日10軒が店を閉める一方、新たに15軒は入居したいと待っているオーナーが大勢いるそうです。潰れても、次から次へと入居者があり、毎日新規オープンの店先には花がずらっと並んでいるわけです。そういうところに勤務する女性と言えば、先ほど言いましたように、鹿児島や熊本から、長崎、博多、広島、岡山、大阪から、北は北海道から、青森、秋田、山形、仙台から東京へ来るのです。年配の人から、若い人、政財界から新興企業の人まで話の相手をするわけですから、女性達はかなり頭も冴えています。そこで、2,000軒あるお店を簡単に紹介しておきます。勤務している女性の時給というのは、皆さんいくらかお分かりでしょうか。大阪より遥かに高く、一番低くて2,000円で、ミニクラブといいます。その上にニュークラブというのがあり、ここが時給3,500円から5,000円です。更に高級クラブになると、時給が5,000円以上となり、7時間働きますと3,5000円になるわけです。凄いですよね。
この辺りでまた話をもどしまして、銀座周辺は大きく変わっているという話をしましたが、銀座の東芝ビルを購入したのは東急で、ようやく解体が完了しました。金額は1,610億円で、2年後には15階建ての大きなビルに変わるそうです。これもまた大きな変化です。
それからスウェーデンのH&Mです。主に今風の若者が着る服の店で、どう見ても高級とは思えない洋服ですが、それでもやはり銀座に店を出すと行列ができる程よく売れるわけです。中国人ではなく日本人が買うのです。それから三越の銀座店です。2010年9月にリニューアルをして、三越の百貨店の中では、ナンバーワンの伸び率となり、一番利益が出ているそうです。2012年4月から2013年3月の1年間で612億円、対前年比は106.5%ですから、百貨店としては凄いことだと思います。三越は、銀座を強化して飛躍したと言っても過言ではないと思います。それからユニクロです。自社ビルではありませんが、地上12階建てに入居し、売り上げは想像するに年間200億円くらいかと思います。若い人が休日は開店前から並んでいます。袋をよく見ると「GINZA UNIQLO」と書いてあり、その袋にユニクロの商品を入れて、持って歩くのがまた流行だそうです。また、新歌舞伎座が今年4月に開場しました。殆どの人が立ち止まって見るほど立派な建物です。座席の数は1,900席あり、地下4階地上29階です。7階から29階までは貸しビルで、歌舞伎だけではなくオフィスも作ろうということです。敷地7,000㎡、延べ床面積94,100㎡、高さは地上138m。かなり大きな建物ですね。それから有名な松坂屋、こちらも今年7月から解体工事が始まりまして、2016年竣工の予定です。地上56m地下6階地上13階建ての立派なビルです。敷地面積が9,000㎡、延べ床面積14万7,600㎡。総工費はなんと758億円です。森ビルとJフロントがお金を出すそうです。
現在銀座には皆さんもご存知のシャネル、カルティエ、ダンヒルは銀座本店、それからティファニーは東京本社、ロエベ、ブルガリ、グッチ、それからGAPも銀座に大きな店を出しています。エルメス、ディオール、もっと変わったところではアバクロというポロシャツのお店ですが、音響設備で音が喧しく、香水の匂いをわざとさせています。そして従業員がパフォーマンスをしていまして、外国人を多く雇っています。僕の親友がそのビルをアバクロに貸していまして、毎月6,000万円の家賃収入があるそうです。立派なものですね。それから当社の銀座本社から50m離れますとルイヴィトン。フェラガモ、バーバリーなど有名なお店ばかり増えています。
以上、色々お話致しましたが、結論として私が申し上げたいのは、「銀座」は東京の銀座ではなく、日本の銀座でもなく、今や世界の銀座だということです。
ありがとうございました。