2010年3月29日 (第2507回例会)
担当会員 山上 和則 君
私は、2010年スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・大阪の実行委員長をしております。皆さんは、スペシャルオリンピックス(以下「SO」)という言葉を聞かれたことがありますか。
「オリンピック」は勿論のこと、「パラリンピック」についてもご存じだと思います。しかし、まだまだ日本においては、SOの認知度は低いものです。日本においては、知っている人は、10人に1人ぐらいですが、アメリカにおいては、10人中9人は知っています。
SOの活動は、知的発達障がいを持つ人たちに、年間を通して、オリンピック種目に準じた様々なスポーツトレーニングと競技の場を提供し、参加者の健康を増進し、家族や他の人たち、さらには、地域の人たちと、才能や技術、そして友情を分かち合う機会を継続的に提供することです。
スタートは、アメリカのケネデイ大統領の妹ユニス・ケネディ・シュライバー氏が、自宅の庭を開放して、知的発達障がいを持つ人たちのスポーツを含むデイキャンプを開いたのが始まりです。彼女の姉も知的発達障がいを持っていた故です。その後、この活動は世界に広がり、現在では、180近い国で活動が行われています。
日本では、1994年より、細川元総理の夫人、佳代子氏を中心に活動が始まり、現在では、47都道府県にその組織があり、日常的に活動が行われています。
また、オリンピックと同じように、4年に1回、夏・冬の世界大会が開催されます。2005年には、長野で、冬季の世界大会が開催されました。国内でも4年ごとに、全国大会(ナショナルゲーム)が開催されています。
今年の11月5~7日の3日間、大阪で、2010年第5回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・大阪が開催されます。これは、来年アテネで行われる世界大会の予選も兼ねています。
まず、11月5日(金)に、大阪城ホールで開会式を行います。開会式には、高円宮妃殿下、大阪府知事、大阪市長のほか、多くの方々の参加が予定されています。そして、全国から1050人のアスリート(知的発達障がいを持った競技者を、SOでは「アスリート」と呼んでいます。)、選手団役員450人、大会役員・審判800人、ボランティア延べ4000人、ファミリー・応援1万人、合計およそ1万6000人の参加を予定しています。
競技種目としては、陸上競技・フライングディスク(万博記念競技場)、水泳競技(舞洲障がい者スポーツセンター)、ボウリング(イーグルボウル)、ゴルフ(茨木カンツリー倶楽部)、卓球・バトミントン(舞洲アリーナ)、テニス(シーサイドテニスガーデン舞洲)、体操(大阪府立障がい者交流促進センター)、サッカー(長居第二陸上競技場)、バレーボール・バスケット(なみはやドーム)など、大阪府下の広範な地域で行われます。
11月6日(土)には、ディビジョニングと呼ばれる予選を行います。これは、同程度のレベルの競技者で競技をすることができるように、グループ分けの資料とするもので、予選で落ちることはありません。
11月7日(日)は、各種競技の決勝と閉会式です。基本的には、同程度のレベルの競技者8人が一グループとなり、競技を行います。表彰では、1位から3位までの競技者は勿論、全員が表彰台に上がります。1位から3位までには、メダル、4位から8位までには、それぞれの色のリボンが、かけられます。そして、観客・応援を含むみんなで、万歳をして、健闘をたたえます。このときの、アスリートの誇らしげな、また嬉しそうな顔は印象に残りますし、感動を受けることができます。
そして、閉会式は、なみはやドームで行われます。参加した、アスリート・ファミリーや関係者が、大阪大会は良かった、大阪の人はみんな優しかった、という印象を持って各地に帰っていただければ最高の喜びです。
今回、ナショナルームゲームを大阪で開催するのに、いくつかの目的があります。第1は、関西において、SOの認知度を高めることであり、認知度を高めることによって、知的発達障がい者について、より多くの方々に理解していただくことです。
第2に、大阪において、SOへの参加希望者がいるにもかかわらず、プログラムを展開している地域に偏りがあり、要求に十分に応えることができていないのが現状です。そこで、より多くの地域で活動の輪を広げ、身近な地域で参加できる環境を作ることが、第2の目的です。
また、第3に、全国から多くの人に集まってもらうことにより、大阪の良さを感じていただくこと等です。
多くのアスリートは、活動範囲、接する人たちが限られています。SOの日常的な活動に参加することにより、アスリート・ファミリーとも、コーチ・ボランィアや他のアスリート・ファミリーと交流を深めることができます。そのような意味においても、SOは大きな役割を担っているともいえます。
そして、何よりもSOの活動に参加して大きいことは、アスリートと接する中で、多くの感動と喜びを共有する中で、我々自身が、多くのものを得ることができるのです。私は、今回の大会の実行委員長を務めさせていただいています。この機会に皆様に、スペシャルオリンピックスの活動をご理解いただき、物心両面におけるご協力がいただければ幸いです。何かご協力いただける節は、下記までご連絡下さい。
最後になりますが、貴ロータリークラブの益々のご発展をお祈りいたします。
「2010年第5回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・大阪」実行委員会事務局
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