「米山月間にちなんで」(RI第2660地区米山奨学委員会副委員長 田中 眞人 氏)

2011年10月3日(第2573回例会)

(担当会員:相崎 秀樹 君)

1.米山記念奨学会の概要
米山記念奨学会は1952年に日本で最初に設立された東京ロータリークラブが、日本のロータリーの創設者とも言える米山梅吉翁の功績を記念してそしてまたその意思を継いでこの奨学事業を始めることとなりました。戦後の復興の道を歩み始めた日本にとって、二度と戦争の悲劇を繰り返さない為に、世界の国々との人物交流を深める必要性を感じていた時代背景の下、米山奨学事業は「留学生が平和を求める日本人と出会い、信頼関係を築く」ことを目的に始められました。その後“日本のロータリーに最もふさわしい国際奉仕事業”と評価されて、全国のロータリーに拡大していきました。そして1967年7月1日、当時の文部省の許可を得て、財団法人ロータリー米山記念奨学会が設立されました。国内全クラブの合同事業として「ロータリー米山奨学委員会」が結成されてから財団設立まで10年の歳月を要しております。
米山記念奨学会の財源は、全国のロータリアンのからの寄付であり、理事会は全34地区から選出された理事で構成されます。
次に米山記念奨学事業の特長にについて申し上げます。
* 国際ロータリーの認める多地区合同奉仕活動
米山奨学事業は、日本のすべての地区が関わる「多地区合同奉仕活動」として、「ロータリー章典」の定めるすべての手続きをしています。
財団法人ロータリー米山記念奨学会の発行する印刷物等には、RI理事会の定めにより、当財団が日本国内の全地区による合同プロジェクトである旨を付記したロータリーマークを使用しております。
* 世話クラブ・カウンセラー制度
奨学生一人ひとりに地域のロータリークラブから世話クラブが選ばれ、さらにその会員の中からカウンセラーが付いて、奨学生との交流を深め、彼らの日本での生活が心豊かなものになるよう配慮しています。奨学生はロータリアンとの交流を通じて、奉仕の精神に触れ、自らの精神を磨いて、人生観・職業観を深めます。また、ロータリアンにとっても、金銭的な支援だけでは得られない感動と、事業への深い理解が生まれて、さらなる支援への意欲を盛り立てます。
* 日本最大の民間国際奨学事業
年間の奨学生採用数は800人(通常の民間奨学団体は数人から30人程度)、国内最大の奨学事業です。

 

2.奨学会への寄付の件
財団法人ロータリー米山記念奨学会の収支
収入:寄付金収入は13億1,400万円。年間800人の奨学支援に必要な14億5,000万円に満たなかったため、不足分は特別積立財産を取り崩して補いました。
利子収入は9,800万円となり、管理費の合計6,200万円を補えております。
支出:奨学事業費は14億2,600万円。事業費のうち、奨学金が12億2,900万円で奨学金以外の事業費(地区及び世話クラブへの補助費、奨学生への記念品、学友会への補助等)は1億9,700万円でした。
* 米山記念奨学会への寄付について
米山への寄付には「普通寄付金」と「特別寄付金」の2種類があります。
普通寄付金は各クラブで決まった一人分の金額を会員数分ご送金いただく寄付です。
特別寄付金は、任意でいただくご寄付で、個人寄付・法人寄付・クラブ寄付の3種類があります。
2660地区の目標はお一人20,000円でございますのでよろしくお願い申し上げます。
また、財団法人ロータリー米山記念奨学会は「特定公益増進法人」として認定されているため、当会に対する特別寄付金は、所得税・法人税の税制優遇が受けられます。また、相続税も非課税になります。
各地区あたりの奨学生を何人採用出来るかは、地区の寄付金額の全国比により決定されます。

 

3.米山学友の活躍
* 奨学生数の累計は1万6千人超。多くの学生がアジアを中心に活躍しています。
* 米山学友を中心に設立されたクラブは、台湾に2つ、日本に1つあります。
台湾東海ロータリークラブは、1995年に米山学友が力を合わせて立ち上げた初のクラブです。日本語を公用語として、日本との親善交流に尽力しています。また2010年、第2750地区に国内初の米山学友を中心としたクラブ、東京米山友愛ロータリークラブが設立されました。
* 東日本大震災に、国内外の米山学友を中心に義援金740万円が寄せられました。
* 東日本大震災でボランティア
「少しでも役に立ちたい、復興へのエールを送りたい」在日ネパール人150人以上から寄せられた支援金を元に学友有志が被災地を訪れて本場のカレーを振る舞い、被災者の疲れを癒しました。
第2780地区の地区協議会での募金活動を資金として食材・物資を購入。さらに被災地でもある第2520地区学友会に協力を仰ぎ宮城県名取市の2箇所の避難所を訪れ、水餃子4,300個のほか、靴下・野菜・台車等の物資をとどけた。

 

米山記念奨学事業はすぐに目に見えてくる事業ではなく息の長い事業であることをご理解頂き、今の奨学生のご支援を賜りますようお願いを申し上げまして今日の卓話とさせていただきます。本日はありがとうございました。