「色の力を使って売上アップ!カラー活用術」 (オフィスキーカラー   代表 立石喜美子 氏)

2011年5月16日(第2556回例会)

(担当会員:大塚 道夫 君)

今日は色を使って皆さんを元気づける講座ということで、「色って意外と大切なんだな」と気付いて頂ければと思います。ビジネスにおいては儲かる色、売れる色というのがあり、同時に売上を下げてしまう色もあります。色は意思決定や人間の感情に物凄く大きく影響し、パッと見た時に言葉や文章より色の方が人間の頭にインプットされることが分かっています。
色を使って面白く展開されているのはカーテン、売れる色はほぼ決まっていますが、売れる色だけを置くのではなく、100色のカラー展開でアプローチする方が断然売上がアップし、引き立たせるための色、捨て色が大切になります。女性をターゲットにする商品であれば色、香り、選べる楽しさの3つが備われば成功すると言われています。携帯電話も性能に差がない時代、そこで勝利しようと思うと感情、心に訴えかける、即ち色です。色鉛筆、500色入りがあり、インテリアにしたり、毎月何本か買うというやり方があります。銀行もカラーリングの時代、クレジットカードの色が選べて、カフェオレとかホワイトクリスマスなど面白い色のネーミングで楽しさをアピールしています。本屋さんでは7色のブックカバー、ランドセルの色も自分で選べる時代です。
色の豆知識として、暖色系は赤、黄色、寒色系は青系、赤い部屋に入ると体温も脈拍も上がって、寒色系の部屋に入ると下がることが分かっています。中性が緑や紫です。ラーメン屋さん、赤い色を使っている方が並んでおり、赤い方に引きずられるようです。緩和と緊張を測る装置があり、ベージュの部屋にいると血管が拡張し、リラックス状態になります。赤い色を見ると緊張状態になり、興奮するということですのでパーティーや結婚式では赤を使って、楽しませることができます。先ほどベージュはリラックスと言いましたが、和室はベージュで柔らかいトーンで落ち着きます。同じような効果があるのがパステルカラーです。
虹の七色が、人間が色として捉えられる一定の領域で、それを円にしたのが色相環です。この中からカラーリング・マーケティングが生まれてきて、色を選ぶということが行われています。単体の色より赤と緑を並べるとお互いを引き立てる効果があり、上手に使っているのがスーパーで、トマトの横にホウレン草を置いたりします。黄色と紫を使ったのがルイ・ヴィトンです。
コーポレートカラーについて、auはオレンジ、マクドナルドは黄色と赤、これが戦略といわれるもので、自社のコンセプト、訴えたいことを色に置き換えて決めていく時代です。赤は食を促す色ですが、みんな同じになると面白くないので、戦略的にサンマルクカフェは黒をとり入れて自社ブランドとして確立しています。緑は安心、安全のメッセージ効果がありますので、スターバックスは緑で癒しのカフェとして展開されています。また、色は横に持ってくる色で見え方が変わります。ソフトバンクは無彩色の中に犬を使って癒しとか、人間の心をくすぐる展開をされています。紫は企業の色としてはそぐわないかもしれませんが、ミステリアスなイメージで独特な展開をされているブランドがあります。赤、橙、黄、緑までは食欲が進みます。黄緑、青、紫系は食欲をそそらないというデータがありますので、それを逆手にとって、ダイエット商品に紫を着色することで食欲がわかず、ヒットした例があります。
人間の第一印象を左右するのは色です。この人と喋りたい、この人に聞きたい、この人でなければいけないというイメージを打ち出すためには色によるイメージアップが大切です。好印象をもたらすパーソナルカラー、年齢が高くなるほどきれいな色を着ることが大切です。男性のスーツとシャツとネクタイのVゾーンが顔とセットで印象付けることになります。薄いピンクのシャツ、特に薄いブルーは白と同じように着て頂きたい色です。色には強弱がありますので、それを上手に取り入れれば、清潔感をアピールすることができます。若い頃は手入れしていなくてもナチュラルと言われましたが、一定年齢を過ぎると不精となりますので、清潔感をアピールするために少しお洒落をしてみて下さい。商談の時、お洒落なカフス、磨かれた靴、きれいな色のペンを持つ、清潔な爪、そういうところを見られています。お洒落感があると、細かいところにも気がつく方だと判断されます。
色を使って演出する考え方がヒットしたのが、1960年代のアメリカの大統領選、イエローベース、ブルーベース、人間はどちらかに馴染みます。ちょうどカラーテレビが普及した頃で、元ケネディー大統領は色で好印象をアピールしたことで勝利したというのは有名な話です。あとは明るさと鮮やかさの度合いがあります。
見た目は相手へのメッセージ、第一印象は3~7秒で決まると言われています。顔とVゾーンの上半身で決まると思って下さい。良い印象とは明るく見えること、健康的に見えること、清潔感があるように見えること、3つのポイントを押えて頂くためには、色はとても楽しいツールの一つです。
今日から今まで以上に色を意識して下さい。そしてちょっと変えてみて下さい。そうすればまず印象が変わります。そして心が変わります。表情が変わります。「人生が変わる」と私はいつも言っています。似合う色を知ると自信を持って着られて、姿勢が良くなり、表情も豊かになって笑顔が生まれます。そういった表情をしていると人から声を掛けられることが多くなり、コミュニケーションがスムーズになります。そこから色々な人生が変わってくるということを私は常に訴えています。
今日は色々な切り口から少しずつお話をさせて頂きました。皆さんにとって一つでも気付きになれば、とても嬉しく思います。
以上で終らせて頂きます。ご清聴ありがとうございました。