「すべては幼児教育から始まる」 (開成幼稚園・塚本幼稚園 園長 籠池 泰典 氏)

2012年8月27日(第2614回例会)

(担当会員:上能喜久治 君)

 
皆さん、こんにちは。私は開成幼稚園と塚本幼稚園の園長をさせて頂いています。塚本幼稚園は学校法人の幼稚園として日本で一番初めに手を挙げさせて頂きました。先日、テレビ東京に撮影して頂きましたので、その映像を先に観て頂きたいと思います。当園は「厳しすぎる幼稚園」として紹介されました。普通の幼稚園とは一部違うところがあります。毎日朝礼から始まって国歌斉唱、教育勅語暗誦も最初は意味が分かりませんが段々と内容が分かってきます。挨拶は基本中の基本です。
[映像でご紹介]
皆様方はロータリーの旗と国旗を掲揚されていますが、ご自身の企業で国旗を掲揚されていますか。色々な思いがあると思いますが、自分は日本の国の中で成長させてもらって日本の国の中で企業を営み、頑張ろうと思っていたら国旗を掲揚する、これは一番重要なことだと僕は思っています。皆さんは国歌斉唱の時、大きな声で歌っていますか。西洋と日本の国の違い、国旗を堂々と掲揚し堂々と国歌を歌える、そういう国民でないと、隣国にないがしろにされます。戦争を知らない人たちにとって、何が自分を守ってくれているのか、それは国であり、国の印である国旗と君が代を認識して頂きたいと思います。僕の父親は特攻隊でしたが生き残りました。小さい頃、いつもお風呂の中で「国の発展と国力の増強のために寄与しろ」と言われ、大きくなってきたら「こういうことだったのか」と分かってきました。やはり世代間を通じて言うべきことを言わなければ、根無し草になってしまいます。おじいちゃんとおばあちゃん、両親、そして孫の代、三世代共通の体験をすることで家族の絆だけではなく文化の絆、国家としての絆が深まっていきます。若い人たちにそれができるかできないかは、若い人たちが歴史を知っているかどうかです。僕は常々「日本に生まれたことを誇りに思え。有難いことだと思え」と言っています。人間に生まれたことも奇跡中の奇跡、その中で日本という風土、四季があって、美味しい食べ物に勤勉な国民性、その中の一人に生まれてきたわけですから、選ばれた人です。その日本の国を蔑むとか、ルールを守らない人が日本の巷に沢山いることが、日本の国が衰えている大きな原因です。
日本人の本質というのは、皇室と一体的にある国民性であり、2600年以上も皇室と関係が保たれてきました。そこが日本人を再び日本人にしていくということになると思います。小中学校の先生方はそのへんを外しています。外してしまうから「私はどことつながっているのだろう」という感じになって、自分は根無し草だと思ってしまいます。だから不祥事が相次ぐわけで、これはケジメの問題、人間としてケジメをつけていくのは幼児の時代、幼児の時代にしっかりと教えていかなければならないと思います。
僕が塚本幼稚園・開成幼稚園でしているのは日本の国にとって有能な人材、役に立つ人材を育てる、そのために何を学ばせればいいのかというところから入っていきます。言いにくいことも言います。子供さんが成長していくのに親御さんも成長してもらわないといけないから、櫻井よしこさんや渡部昇一先生にお越し頂いたり、第90代内閣総理大臣の安倍晋三先生に9月16日に来て頂いて講演会をして頂きます。色々な面々のお話を聞いて頂いて、保護者の世代にも育ってもらわなければなりません。子供を育てるのは誰でもできます。親御さんを育てていかないと、親と子が一緒になってこの国を盛り立てていかないと、日本の国はくたばってしまいます。物事が分からないというか、躾がされていないというか、自分は何のために生きているのかさえ分からない人たち、子供が生まれたから幼稚園に通わせている人たち、そんな人たちが皆様の会社の従業員だったら、会社はどうなるでしょう。一緒になって企業を盛り立てて、昔の奉公の精神をもてば運命共同体として企業は成長していきます。そういうものを残していくのは幼児教育がポイントだと思っています。
私どもの幼稚園も歌ったり遠足に行ったりもします。そこにどれだけ他のものを追加させていくかが、私どもにお越し頂いた子供さんを一等の子供さんにするポイントだと思っています。ほんまもんの教育です。20歳までは学生ですので知らなくても、教えてもらっていないから、20歳を超えたら教えてもらっていないのは恥ずかしいこと、その人の責任になります。我々の幼稚園のコンセプトとして歴史と伝統を教えます。剣道も教えます。和太鼓もします。僕は子供たちに、今は分からないけれど、いつかは分かってくれるだろうと言っているのは、道徳、躾、情操、歴史観に関することです。2~5歳が重要な時、教育の中で一番大切なのは智・情・意です。知識というのは後からついてくるもので、知識を順送りに動かすことができるのは情操と意思だと思います。
塚本幼稚園に一度お越し下さい。県会や市会の議員団の方々が見学に来られています。何のために来られるかというと、市や県の方で教育的なものをもっと広げようと思って来られています。また、保育所と幼稚園を一緒にしてはいけません。昔は社会政策としての保育所でしたが、今は労働政策の保育所になってしまって、どんどん増えて、良質な家庭教育ができる環境がなくなってしまいます。だから幼稚園という存在が大切になってくると僕は思っています。三つ子の魂100までも、5歳まではお母さんが家庭で、子供さんと一緒に楽しみながら共に成長していくことが大事です。
私どもには天皇、皇后両陛下も来られました。皇后陛下はお足が悪かったのにハイヒールに履き替えてお越しになりました。子供たちからの花束を受け取って頂き、次代を担ってくれる子供たちという思いが天皇、皇后両陛下にはあられると思っています。歴史と伝統を大切に、皆様も常に子供さんや孫さんには何か心に残る言葉を残して頂ければと思います。本日は有難うございました。