2010年9月13日 (第2527回例会)
担当会員 粟村 卓家 君
皆さん、こんにちは。私はアスレチックトレーナーを目指してから約12年、ピィラテストレーナーをしてからは7年ぐらいになります。 皆様はピィラテスをご存知でしょうか。ジョセフ・H・ピラティスというドイツ人が考案したエクササイズです。第一次世界大戦の時に傷ついた兵士が、できるだけ早く治るようにと考案、ピラティス氏は男性の看護師でした。彼自身には元々喘息があり、体力がなく、できるだけ体力をつけたい、力強くなりたいということで考えたようです。病院で生れましたので、リハビリ系エクササイズとご理解下さい。それが海を渡ってアメリカへ、ニューヨークのダンサーたちに受入れられ広まっていきました。
私がパソコンのスクリーンセーバーに使っている映像、セクシーなお尻だと思いませんか。きれいなお尻の作り方というエクササイズがあります。股関節が股関節として動き始めるときれいなお尻になります。そしてゴルフにも役立ちます。プロゴルファーの半分以上が腰痛持ち、インストラクターの6割以上が腰痛持ちだそうです。皆さんはゴルフをされますか。腰痛をお持ちでしょうか。肩周りに炎症をお持ちの方はいらっしゃいますか。
ピラティスは骨の配列を正すことによって、筋肉の長さが変わってくることを目的にしています。静的バランスが整うことを目指し、動的バランスがとれるようになると、競技力向上につながります。
今週末、ゴルフに行かれる方がおられましたら、ゴルフで使って頂けるスキルをお伝えすることで、楽しくプレーして頂けたらなと思います。皆様が座っておられる姿勢は楽ですか。いい姿勢で座ってみて下さい。いい姿勢をできるだけ楽な状態で続けることができると、腰や膝に負担がなくなります。そのためのアイデアとして、椅子を少し斜めに向けて角にお尻を乗せてみる、できるだけ浅く、足を腰幅ぐらいに開く、これで随分楽になると思います。何が起こったかと言いますと、お尻の下の骨、坐骨を立てることによって上に積みあがる背骨の並び、頭の配置、肩甲骨の位置が変わるので、肩周り、首周りが楽になったはずです。
次は動きの中でバランスをとってみましょう。一旦立ち上がって、座って、それを繰り返します。この立ち姿勢が楽になるように皆様と一緒に運動したいと思います。椅子の角に足を広げて座ります。右足を少し上げてお尻の下にある坐骨を触ってみて下さい。反対側も触ってみて下さい。恥骨はどうでしょう。この4点を持つ骨盤底筋群を意識するだけで、ゴルフのスイングがとても安定してきます。ネクタイをクラブに見立ててスイングしてみて下さい。腰痛を感じる時に、骨盤底筋群を少し意識するだけで随分と腰が楽になります。肩も楽になるかもしれません。骨盤底筋群の筋肉を意識すると内臓の活性化が起こり、消化吸収が変わってきたりします。この筋肉が緩むことによって尿失禁が起こったりします。お尻を締めてみて下さい。カチカチになって腿もカチカチになるのが分かりますか。骨盤底筋群は2割ぐらいの力で意識し続ける、イメージがとても大切です。ジェットコースターに乗る、高いところから下を見下ろす、フッと引き上がるものがある、その時の感覚が骨盤底筋群を2割ぐらい引き上げた時の感覚と同じぐらいだそうです。
そのイメージを持ちながら椅子の前に腰掛けて下さい。坐骨2点で座って、その上に積み上がる背骨を長く伸ばしてみる、骨盤だけを前に後ろにころっ、ころっ…その時に大切なのが呼吸、吐いて後ろ、吸って前、骨盤の傾きによって背骨の積み上がり方が変わってきます。骨の配列によって筋肉の長さが変わってきて、腰のマッサージ効果があります。
ゴルフの時の前傾姿勢、スイングに入る前の姿勢、これはアスレチックスタンスと言います。膝と股関節が曲がります。クラブを振り上げてボールをイメージして打って下さい。もう一度座って頂いて体を前に傾けて元に戻す、それを繰り返す、その時に意識して頂きたいのが坐骨、その動作で坐骨は動いていましたか。椅子の上でも前傾姿勢の時は坐骨に動いてほしい、腿の裏側の筋肉が伸びていきます。先ほども言いましたが、椅子の角っこに座った状態で坐骨を後ろへ、そして元の位置に戻します。お尻と頭を引っ張り合うような形で前の方へ、元の位置に戻しましょう。お腹から息を吐いて、お腹の力を使いながら前へ、吸いながらもとの位置に戻します。しっかりと吐ききると、腰がすごく柔らかくなると思います。前に倒した時に腰骨を触ってみて下さい。その周りにある筋肉が硬いと腰痛のリスクが高まります。倒すという動作が腰骨の間にある椎間板はすごく好きです。できるだけ伸ばした状態で、腰が柔らかい状態で、ねじる動作で、ボールをパシッと打つことができると、腰痛のリスクが減ってくるはずです。
一度立ち上がってみて下さい。さっきより少し立ちやすくないですか。その場で手を上に上げる、元に戻す。手を持ち上げる時、斜め45度ぐらい前から持ち上げます。手の平の向きは内側です。すると肩甲骨が動きます。息を吐きながら手を上に持ち上げる、元の位置に戻します。その時、背骨が色々な方向に動きたくなるので、高いところから下を見た時のような、引き上がるものを感じながら、右手と左手と交互に行ないます。肩が凝ったな、パソコンの前に座る時間が多い、前向きの動きが多いなという時、ゴルフをする前にこの動きをしてみて下さい。塊の筋肉がウオーミングアップされて、五十肩、四十肩、痛みの予防にもつながります。連動している股関節がとても動きやすくなります。
これらの動作を是非持ち帰って頂いて、参考にして頂くことで、痛みの少ないゴルフ、楽しいゴルフを、沢山の方々にいついつまでも続けて頂けると嬉しいなと思います。それでは以上で終らせて頂きます。皆様のご協力有難うございました。