「ローターアクトの現状と展望」(山内 康俊 君)

2010年4月19日 (第2510回例会)

ローターアクトクラブは、青少年育成プログラムとしてインターアクトクラブが提唱された後、インターアクトを卒業した18歳以降の若者への育成プログラムとして、18~30歳を対象に、奉仕を志向する市民と指導者を育成するため、ロータリークラブが1968年提唱をした世界的な団体です。現在160カ国16万人以上が活動しています。その目的は、若い男女が、個々の能力の開発に当たって役立つ知識や技能を高め、それぞれの地域社会における社会的ニーズに取り組み、「親睦と奉仕活動を通じて」全世界の人々の間に、より良い信頼関係を推進するための機会を提供することにあります。

ローターアクトクラブの目標は、1.専門知識および指導能力を開発すること。2.個人の価値を認める考えに立脚して、他人の権利を尊重する観念を養うこと。3.すべての有用な職業は社会に奉仕する機会として、その品位と価値を認識すること。4.指導者としての資質という面でも、職業上の責務を遂行するという面でも、道徳的基準が大切であることを認識し、実践、推進すること。5.地域社会と世界各地のニーズ、問題、機会に対する知識と理解を深めること。6.地域社会に奉仕し、かつ、国際理解と全人類に対する善意を推進するために、個人として、また、団体として、活動する機会を提供することにあります。

RI第2660地区のロ-ターアクトクラブの現状は、20クラブ265名が北・中・南の3ゾーンに分かれ活動しています。しかし、最近は、ロータリークラブと同じく、全体的に会員減少傾向にあります。そんな中で昨年度うれしいことがありました。RI第2660地区で、初めての大学RACが誕生しました。関西大学ローターアクトクラブです。今後の活躍に期待したいものです。さて、RACは実際にどのような事業をしているのでしょうか、大きく分けて、各ローターアクトクラブの事業と地区の事業があります。各ローターアクトクラブは、クラブ奉仕・国際奉仕・社会奉仕・専門知識開発・財務の5つの委員会に分かれ、活動しています。ローターアクトのメンバーは、いずれかの委員会に属しております。様々な職種、経歴、個性を持ったメンバーが地域社会に対する奉仕や、研修を通じて自己を磨き、友情を育み、様々な知識を学びながら、物事を理解する力を深めていきます。次に地区行事です。まず年2回の地区献血では、実際の社会奉仕を、午後の地区連絡協議会で各クラブの会長・幹事への研修を実施しています。その他 新旧理事役員研修会・リーダーシップフォーラムで、リーダーシップトレーニングを、全国統一アクトの日、世界RACDAYでは、ローターアクトに因んだ事業を行っています、また、他地区との共同事業・海外研修等では、国内の他のRACや海外のRACとの交流を深めあいます。各事業は、担当のローターアクトクラブがホストになり、責任をもって事業を推進します。

そして、最後に、1年の締めくくりとして年次大会があります。ここで、1年間の事業報告と次年度の計画発表をし、その年にRACを卒業される会員の卒業式が執り行われます。そこで、卒業されるメンバーと残った後輩が引継ぎを行い、一年の事業が終了します。図らずも、私は、次年度RI第2660地区のローターアクト委員長を拝命しました。ここで、皆様に、次年度委員長として、今後のRACの進むべき方向をお話させていただきます。次年度松本ガバナーノミニーの方針、「もう一度、ロータリークラブについて考えてもませんか」に則り、RACができた原点に立ち返る必要があると思います、どのようにしてロータリークラブができたのか?「ロータリーにとって、RACが何故必要なのか」を、ロータリアン・ローターアクターが再認識することが重要です。そして、RACの事業に参加し、感動すれば、RACへの認識が深まります、そうすることで、ロータリアンは社員や子弟をRACへ推薦し、ローターアクターは、友人や知人をRACに紹介することで、RACの会員増強が達成されます。RACには、社会への奉仕精神をもち、リーダーシップあふれた若者が集い、そして、RACを卒業してからも、社会で頑張り、いずれ彼らが壮年になったとき、彼らは必ずロータリークラブに入会するはずです。そうすれば、RCの会員増強も達成され、社会に認知されたRCはやがて地域を変え、国を変え、いつかは世界を変えていくでしょう。それは、あたかも、ロータリークラブが誕生したころの理想である「明るい豊かな社会」が実現されることに繋がるはずです。それでは、次年度からどのようにしていけばいいのでしょうか?具体的には、現在のRAC事業が、若者にとって社会奉仕やリーダーシップ育成に必要な事業になっているか見直し改善していくことが必要です。

いい事業を行えば、必ず、市民からの参加や、ロータリアンからの理解・協力が得られるはずです。そして、その事業に多くのロータリアン・ローターアクター・市民が参加できるよう、また、事業の成果を確認するために、広報に力を入れる必要があります。ホームページの充実、プレスへの働きかけに力を入れ、特に、事業報告はきっちり行ないます。

地区独自の会員増強活動として、大学・外国人留学生・外国人労働者へアプローチをし、大学RACの創設や外国人の入会を推進します。そして、昨年度から導入された会員増強サポートシステムを活用し、未提唱ロータリークラブのロータリアンに、RACの事業を紹介し理解を深めていただくために、出前卓話を行い、同じグループの提唱ローターリークラブのRACに子弟・従業員を紹介してもらう。等です。以上、長々と話してまいりましたが、ロータリーにとって、今までもこれからも、若者の育成がテーマであり続けることは、間違いないことであることを、皆さんと共に確認して本日の卓話を終わらせていただきます。長時間のご静聴ありがとうございました。