「ワンセグ、モバHO!、そして地デ鹿」 (西村真一郎 君)

2011年6月13日(第2559回例会)

お手元のカラーのちらしは「デジサポ」つまり、総務省(旧郵政省放送行政局)の外郭団体がだしているものです。
卓話の表題の意味がわからん、と何人もの会員から問われました。きょうのテーマはいま嵐のようにPRされている地デジ化です。

 

地デ鹿くんはこのPRキャラクターですが、さてわれわれは視聴者としてこれにどう対応すべきか、このことは民間放送事業者・NHK・広告業界・新聞出版業界・世の中をどう変えていくのか、莫大な費用はどう吸収されたのか…陰で消されたものや技術は?などを駆け足でさらってみたいと思います。

 

「7月24日、テレビアナログ放送終了!テレビが見えなくなります。今すぐご準備を!地デジ対応は大丈夫ですか?」と繰り返しています、 地デ鹿は二本足のぬいぐるみで、その角がテレビアンテナになっているという怪体な気味の悪い奴です、「地デジ化はお済みですか?急いでください」と騒ぎ立てています。

 

そして、左端、こちらは「ワンセグメントの電波を使ったテレビ放送サービスのオマケ」のことです。
ケータイの店頭でしばらくまえまではワンセグテレビが見えるかどうかが重要でした。今はスマートフオンですが。カーナビの更新にあたってもワンセグ搭載か、地デジフル対応機器かで値段の差が大きかったものです。

 

一方表題の真中に位置するモバHO!これはモバホと読ませたのですがどうでしょう。お見せしているのがその受信端末の箱ですが、いま影も形もありません。おととし三月に人知れず実験放送が打ち切られました。何十万台もの端末がクズ鉄になりました。6万円もしたのですが…。準天頂衛星・有料サービス・音楽チャンネル・全国一サービスetc.。夢におわりました。

 

☆テレテキスト  電子政府  ニューメデイア
マルチメデイア(推進協会) M/Nコンバーター
ポケットベル  ハイビジョン推進協会  SCC
J-SAT CSアナログサービス
ワイドクリアビジョン
あるものは、役割を終えて消え、あるものは闇に消えた一方で地デジだけがなぜ宣伝されるのか。

 

ここで独断と偏見で仮説1:慣性の法則。金が注ぎ込まれ、中央で決まったことは無駄・無茶・無理が分かっても退却出来ない。血税を投入して押し通してしまう。

 

一方民間にゆだねられたインフラ開発はどこかの段階で必ず合理的な経営判断がはたらきます。一見魅力的な新技術も新サービスも厳しく採算性を検証して、これアカンド!、と判断が下ると容赦なく打ち切られます。
撤退判断が成立するには仮説2:商人の法則。すなわち、合理精神がおもてに立つ環境下のみで可能だ。このモバHO!も民間主体の事業だから撤退できました。

仮説3:ダメージとかリスクはスキ間を狙ってくる、代替わり・年度末・人事異動・夜間…。

 

テレビは巨大なインフラです、長年月かけて放送事業者は生駒山に送信所をつくり視聴者は屋根にアンテナを立て大金をはらって受像機を買い換えてきました。それを転換するには見える費用見えない費用が莫大にかかります。

 

☆転換コスト 廃棄コスト 習熟コスト☆
費用が負担出来ないあいりん地区のような例も生じます。新たにB-CASカードが必要になり操作が複雑化します。
しかしデジタルと言いワンセグと言い所詮は伝送路に過ぎないのではないでしょうか。

 

☆(発信)人・組織 → 機械・信号化 → 伝送路 → 機器・端末 → 人(耳・眼)→ 脳(受信)☆
震災でも避難所で頼りになったのはワンセグだラジオだと一部で言われました。だが情報をあつめ言語化して発信するには人手が必須です。この手の機器は電気も必須です。

 

☆☆☆ 事業継続計画   訓練

伝承 教育 (組織の“記憶”は一世代限りで消滅)
ロータリアンはすべからく、新型テレビを買うとともに災害にそなえた事前計画策定と要員確保、ならびに阪神大震災を知らない世代の教育訓練も実施すべきだとおもう昨今です。