「東北支援と国際奉仕」 (木越 正司 君)

2012年2月27日(第2591回例会)

 私は、今年度クラブ国際奉仕委員長を拝命しております。2月は国際理解月間ということもあり、国際奉仕に関する卓話をいたします。今年度は東北大震災復興支援が第2660地区の国際奉仕委員会の目標となっています。当クラブは復興支援について気仙沼RCを通じ、気仙沼小中学校に対する支援に取り組んできたこともあり、今回のテーマは「東北支援と国際奉仕」にしました。
さて、国際奉仕の本質は「個人の善意の世界に立って、地球上の全ての人達を善意で繋いでいく運動を捉えるものである(1921)」ということですが、これは、各ロータリアン自らの判断で奉仕するという「I serve」の理念が原点であることに変わりません。また、ロータリアンが国際間の理解と善意と平和を促進するために活動することが国際奉仕の概念です。国際奉仕の各種プロジェクトは、多くの国々の人々の求める、人間生活の必需品や窮状の救済に応えることを目的としています。
皆さんがよくご存知のWCSとは、国や行政が地域社会のニーズを満たせない発展途上国や開発途上国、あるいは今回のような大震災などによる被災者に向けた支援など、ロータリークラブも資金の制約等で奉仕活動が実践できない場合、援助を海外の地区クラブに求め、協力して行う奉仕活動のことです。WCSの要件は、①プロジェクトが人道的奉仕活動であること ②2ヶ国以上のロータリアンが関与すること ③ プロジェクトはこのうちいずれか1ヶ国で実施されること(世界社会奉仕要覧 行動への指針)となっており、WCSを行うことは、援助される側の人々だけではなく、活動に参加した私達ロータリアンも恩恵をこうむることができ、国際理解や親睦を一層深めることができることに大きな意味があります。 当クラブでは、過去にフィリピン、ミャンマー、韓国、メキシコ、カンボジアなどの国でのWCSプロジェクトに大阪リバーサイドRCなどと共同参画をしてきました。
国際レベルの教育及び文化活動としては、①ロータリー友情交換は「国境を越えた個人対個人の交流を通じて国際理解、親善および平和を推進する」ことを目的とします。②世界ネットワーク活動グループは、ロータリー親睦グループ(職業別及び趣味別グループ)とロータリアン行動グループ(奉仕活動関連グループ)。③国際青少年交換、現在は「新世代奉仕プログラム」ですが、元は国際奉仕プログラムで、高校生または該当する年齢の若者に外国の文化に触れ、学ぶ機会を提供するもので、将来彼らが地域社会のリーダーとして世界平和や国際理解を深め生かす事が期待されています。2003年~04年度の米国アンディーグレン君の受入れ 高木現幹事の娘さんのベルギー留学実施等がこれに当たります。
GSE 研究グループ交換は、RIに属する2つの地区がペアを組み、ロータリアンの団長と専門職業人の団員(原則4名、男女不問、年齢25~40歳)で構成される研究チームを派遣するもので、期間は1カ月間、チームの滞在は原則としてホームステイで行われ、相手国の市民の日常生活を内部から体験できます。
海外姉妹クラブとの国際交流として、当クラブは高雄西RCと1978年(昭和53年)6月15日に姉妹クラブ提携を締結しています。3年毎に続盟式を行っており、次回は2013年5~6月日本にて予定です。
ロータリー財団についてですが、RIは、1917年「世界で良いことを行うための教育的、人道的基金」として、ロータリー財団を設立しました。その使命は、ロータリアンが、健康状態を改善し、教育への支援を高め、貧困を救済することを通じて、世界理解、親善、平和を達成することにあります。非営利財団で自発的な寄付によって支えられています。ロータリー財団のプログラムは、ポリオ・プラス、地区補助金、MG、国際親善奨学金、GSEなどがあります。RIの長期計画は、クラブのサポートと強化、人道的奉仕の重点化と増加、公共イメージと認知度の向上です。それは他者に奉仕し、高潔性を推進し、事業と専門職務及び地域社会のリーダーの間の親睦を通じて世界理解、親善、平和を推進することです。ロータリー財団の重点分野は、① 平和と紛争予防/紛争解決 ② 疾病予防と治療 ③ 水と衛生設備 ④ 母子の健康 ⑤ 基本的教育と識字率の向上 ⑥ 経済と地域社会の発展。
今年度目標としての東日本大震災に向けたガバナー方針の概要は① 各クラブの奉仕活動を震災支援に向ける ② 災害支援プロジェクトの設定 ③ 災害支援基金の寄付 ( WCS活動/DDF/MG/DSGの有効活用 )。今年度当クラブの取り組み(気仙沼支援)は、①地区補助金(第2660地区)で気仙沼中学校修学旅行支援、②ロータリー東日本震災復興基金を気仙沼中学校体育用具・備品他の支援、③MGで気仙沼小学校のブラスバンド制服と体操服支援、総額 4,087,364円のうち 2,643,814円を補助金にて充当しました。大阪西RC単独支援は①気仙沼小学校修学旅行支援、②気仙沼RCホームページ作成費支援(予定)。当クラブとして本年度支援内訳は、支援金総額4,988,764円、うち自己資金2,064,150円。
平成23年10月4日、気仙沼RCを通じて復興支援を行っています気仙沼中学校に対し、運動用具などの備品の贈答式を行ないました。気仙沼RC7名、当クラブは井本会長はじめ9名、大阪リバーサイドRC1名の計17名で齋藤一校長先生に贈呈目録を手渡しました。また、気仙沼小学校修学旅行の実施報告を斎藤益男校長より受けると共に、たくさんの生徒から「とてもうれしかった。皆さんに感謝しています」とのお礼文を頂きました。菅原気仙沼市長とも面談、復興状況の説明を受けました。
気仙沼ロータリークラブの例会に参加し、会員間の懇親を深め、さらなる復興支援の協力関係を確認、被災地域のRCを通じて復興支援を実践するという基本モデルに則り、着実に支援活動が進行しています。皆様方のますますのご協力をさらにお願いいたします。