ホノルルで平和フォーラム開催 No.2

若い人たちの参加

田中作次RI会長が今年度企画した3回の平和フォーラムの2回目となったホノルル平和フォーラム(1回目は昨年11月にベルリンで開催されました。3回目は、5月17~18日に広島で開催されます)には、1,800人以上のロータリアン、ロータリー学友、ロータリーの平和プログラムの支援者が集いました。

このフォーラムは、「平和にいたる緑の道」をテーマとし、平和推進における環境保全の重要性に焦点を当て、平和宣言も採択されました。

田中会長はフォーラムで次のように述べました。「ロータリーは教育、人道奉仕、若者とのつながりを通じて平和を構築しています。末永く続く平和を実現するためには、新世代の若者、その次の世代の若者に参加してもらい、ロータリーの平和構築活動を未来へ継承していけるよう彼らを支援する必要があります。健全な環境があってこそ、私たちは自分の可能性を最大限に生かすことができます。基本的ニーズが満たされれば、紛争の原因も少なくなります。紛争に資源を費やしていない人々や国は、その分みんなの利益になることに対して資源を利用できます」

ルイス V. ジアイRI元会長が招集者を務め、3回のフォーラムの開催地は田中会長が選びました。その理由として、ベルリン、ホノルル、広島はすべて、第二次世界大戦によって大きな被害を受けた場所であり、現在は、国家間の持続可能な平和の力を象徴しています。

「第二次世界大戦後に育った私は、平和の重要性を目の当たりにしました」と田中会長。「平和構築を実現するのは一生かかる仕事です。毎日、世界中の34,000のクラブが、支援を必要としている人たちにきれいな水、医療、教育、そして希望をもたらすことで、より平和な世界の実現に努めています」

 

平和宣言 「平和にいたる緑の道」

人は誰でも、暴力や迫害、不平等や不条理に苦しむことなく、平和に暮らす権利をもっています。私たちはここに、ロータリー活動の下に団結したリーダーや同胞として、より平和な世界の構築に全力を尽くす決意を宣言します。

私たちは、共有する環境資源を大切にし、ロータリー・ファミリーに対して、グローバルな観点をもって平和の推進者たることを、身をもって示すよう奨励します。資源を保護し、地球を守ることで、「平和にいたる緑の道」を支えます。

平和な未来を築くには、平和構築プロセスに若者の力を組み込むことが不可欠です。各世代が生きる社会は、その前の世代よりも、さらにグローバル化し、人と人とがつながり、多様性あふれた社会となります。グローバル市民としての若者の自覚は、ますます高まっています。若者は、文化、民族性、宗教の違いを受け入れ、正義と公平さの熱心な唱道者となります。小さくなりゆく今日の世界で、若者の声と平和への呼びかけは、テクノロジーとソーシャルメディアの波に乗り、ますます大きく、力強いものとなるでしょう。

明日の平和は、今日の行動によって形づくられます。若者の創造性、エネルギー、理想の追求を後押しし、変化をもたらす力を助長することによって、平和な未来の種を育てることができます。今日のリーダーは、戦争よりも平和に、憎しみよりも友情に、争いよりも譲り合いに身を捧げることにより、これらの価値観を明日のリーダーとなる若者に引き継いでいかなければなりません。一つの世代が次の世代に意欲と支援を与えれば、平和の種は「平和にいたる緑の道」へと変わり、その道は先へ先へと伸び続けていくでしょう。

私たちには、奉仕を実践して平和な世界を築くという希望があります。人々に奉仕し、支援の手を差し伸べることによって、共感と理解を生み、末永く続く友情を培い、平和構築を目指す人々の力になることができます。ロータリーを通じて、どのように平和構築に貢献できるか考えてみましょう。

 

※ 世界には、12歳から18歳までの青少年から成る14,000のインターアクト・クラブがあります。また、18歳から30歳までの若者から成るローターアクト・クラブの数は9,000に上り、リーダーシップのスキルを養い、地域社会に奉仕し、国際的な理解と親善を促進しています。

※ 75年以上にわたり、多くの学生とホストファミリーが、ロータリー青少年交換を通じて視野を広げてきました。毎年、約80カ国出身の8,000人以上の学生が、短期あるいは長期の交換を通じて文化間のつながりを築き、国際理解を促進しています。

※ ロータリー財団の平和センターを通じて、これまでに700人以上のロータリー平和フェローが、平和と紛争解決の分野のキャリアで活躍するための土台となる、修士号または専門課程修了証を取得しました。

 

全員でビジョンを共有し、共に行動を起こしてまいりましょう。

 

※ ロータリーの6つの重点分野に関連する奉仕プロジェクトを通じて、「平和にいたる緑の道」を見出してください。

※ 行動を起こしましょう。自らの声と意思を表明することで、武力ではなく平和的な紛争解決の道を選ぶよう、議員や政治リーダーに訴えてください。

※ ソーシャルメディアを駆使し、国、文化、宗教の違いを乗り越えて、平和への願いを共有する人々に協力を働きかけてください。

※ 若者が持つリーダーシップの可能性を広げ、地域社会に積極的に関与できるチャンスを与えてください。

※ 集団暴力やいじめなど、日々の生活における対立に共通する原因に若者が対処できるよう、対話の機会を設け、対処方法のアドバイスをしてください。

※ 変化を起こすための人脈を築きましょう。世界には、200を超える国や地域に34,000のロータリー・クラブがあり、各クラブがそれぞれの地域社会で活動しています。「奉仕を通じて平和を」推進するために、ロータリーでの活動にご参加ください。

 

平和は、ある時点で達成されるものではなく、継続的な活動を通じて少しずつ形づくられるものです。私たち一人ひとりが、平和は可能であると意思表明し、行動することを通じて、平和構築者となることができます。

(2013年1月27日  於 ホノルル)