「国境のない平和」をテーマとしたベルリンでの平和フォーラムで、「人は誰でも、暴力や迫害、不平等や不条理に苦しむことなく、平和に暮らす権利をもっています」という一文で始まる平和宣言が発表されました。
ベルリン・ホノルル・広島という3つの平和フォーラム開催地は、第二次世界大戦で大きな被害を受けた都市であることから、田中作次RI会長によって選ばれました。この3都市は、今では平和推進を象徴する都市となっています。
「私は、戦後直後の日本で育った最初の世代ですから、平和と豊かな生活のありがたみを身にしみて感じます」と田中会長。「平和に向けた活動は、生涯の活動です。ロータリアンは、世界中の34,000のクラブを通じて、きれいな水を提供し、保健と教育を改善し、最も苦しい環境に置かれた人々に希望をもたらしながら平和構築に貢献しています」
平和宣言「国境のない平和」(一部)
人は誰でも、暴力や迫害、不平等や不条理に苦しむことなく、平和に暮らす権利をもっています。私たちはここに、ロータリー活動の下に団結したリーダーそして同胞として、より平和な世界の構築に全力を尽くす決意を宣言します。
国境や政治的見解の違いによって人々が袂を分かち、相反関係や争いが起きている現実を認識する一方、私たちは親善使節として、母国に誇りを持ちつつ、国の利益という枠組みを超えて考えることを重要視します。また、私たちの中に異なる意見や信念が存在していても、世界市民として、協力によって成し得る共通の善に向かって力を尽くします。この精神と共に、私たちは「国境のない平和」という概念を受け入れます。
平和を実現するには、寛容の心が必要とされます。だからこそ私たちは、互いの違いを受け入れようと努め、各個人が、政治的、宗教的、文化的、社会的見解や行為を、自由に表現、発信できる権利を尊重します。また、異なる観点と信念を有する人々の平等を守るために、民主主義と民主的統治の原則を擁護します。さまざまな異なる国の市民である私たちは、法による正義と公平があればこそ平和な社会が確立し得ると認識し、個人の権利が尊重され、また守られるよう、各国のリーダーが責任を果たすことが重要であると考えます。
私たちには、奉仕を実践して平和な世界を築くという希望があります。人々に奉仕し、支援の手を差し伸べることによって、共感と理解を生み、末永く続く友情を培い、平和構築を目指す人々の力になることができます。ロータリーを通じて、どのように平和構築に貢献できるか考えてみましょう。
(2012年12月1日 ベルリン)